生まれ変わっても勇者でありたいか? お前にしては、妙な質問をするな。 ……だが、酒の肴に、たまには考えてみてもいいかもしれないな。俺の、勇者としての宿命を。 俺が望むか望まないかは関係なく、そうだな、何度世界に生まれ落ちても、俺は勇者として生まれるしかないんだろうな。 この世に生を受けたときから、勇者ロトの子孫、勇者ロトの生まれ変わりとして予言を受け、世界に平和を取り戻すために修行を重ねてきた。 きっと俺が次に生まれ変わる時も、世が悪の手に渡ろうとしている時で、そしてまた世界を救う宿命を背負うことになるんだろうな。その時には、俺にも旅の仲間ができるのかな? 仲間と共に世界を救った、勇者ロトのように。 ……嫌じゃないか、か。快も不快もないというのが正直なところだな。 俺はこの生き方しか知らない。世界を救うのはこの俺だと聞かされて育った。そこに疑問は無い。ただ、そういうものなのだろうなと、そう思うだけだ。それはきっと、何度同じ道を歩むことになっても同じだろうな。 何度同じ道を歩み、何度魔物を倒し、何度人を助け、何度世界を救っても。勇者とはそういうものだと、俺はそう思うしかないんだ。 だが、お前とこうして、旅の合間に飲むことは悪くないと思っているよ。この旅路は先祖のように後世に残されるかもしれないが、お前との会話までは残らないだろうな。 それでいい? 俺もそう思うよ。この時間だけはもしかしたら、勇者ではない俺になれるのかもしれないからな。 勇者としての宿命は、避けられない。いつの世でも俺はきっと、勇者として生まれ落ちるよ。 だけど、次の世でも――お前と、勇者ではない俺として、また一緒に飲めたら良いな。
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